アミメノコギリガザミ

  • 画像切り替えサムネイル画像 その1

  • 画像切り替えサムネイル画像 その2

  • 画像切り替えサムネイル画像 その3

  • 画像切り替えサムネイル画像 その4

  • 画像切り替えサムネイル画像 その5

  • 画像切り替えサムネイル画像 その6

  • 画像切り替えサムネイル画像 その7

  • 画像切り替えサムネイル画像 その8

  • 画像切り替えサムネイル画像 その9

  • 画像切り替えサムネイル画像 その10

  • 画像切り替えサムネイル画像 その11

アミメノコギリガザミ ( Mud crab )

名称(ヨミ)アミメノコギリガザミ
中分類エビ目(エビ、カニ、ヤドカリなど)
小分類ワタリガニ科
形態大きいもので甲幅20センチほどになり、1.5キログラムを超える大型種。甲羅はガザミ、イシガニなどワタリガニ科に共通する、イチョウの葉に似た形をしている。雄は成長とともに争いを続け、負け知らずで終齢を迎えるころには、はさみが体とは不釣合いなほど太く大きくなる。雌雄とも左右どちらかのはさみが大きく、それで貝や他のカニなどを行動不能にし、小さいはさみで餌を口へ運ぶとされる。全体的に緑がかった褐色や茶褐色に見えるが、脱皮後は緑色が強く、時間が経つほど褐色になり藻が生えたり泥が着いたりする。はさみや歩脚には黒っぽい網目模様があり、アミメの名の由来となっている。はさみは青っぽく、先は赤みがかる。色には個体差が見られ、性成熟に関係していると思われる。ワタリガニの類に共通する、もっとも後の足(第5脚)がひれのような形状になっている。

※ノコギリガザミのはさみは非常に強力で、挟まれると骨まで砕かれ大けがに至る可能性があり、観察や取り扱いには注意が必要。
概要【分布】
西太平洋からインド洋の亜熱帯から熱帯の沿岸に広く分布。川の流れ込む穏やかな湾や河口域、マングローブなどに生息する。徳之島では、前野、岡前、浅間にかけてのイノーと平土野港(へとのこう)で確認されている。

【生態】
マングローブなど、河川の影響を受ける砂泥底の潮干帯=泥の多い干潟に生息する。雑食だが肉食性が強く、貝を割って食べたり、素早い動きで魚やエビ、カニなども捕食する。また、デトリタス(落ち葉、枯葉など)や岩についたノリ類なども食べる。引き潮のときは巣穴に入り、満ち潮である程度の水位になると水中に出て活動する。夜行性と思われがちだが、晴れた昼間に水中を活発に動き回ったり、甲羅干しする姿なども見られる。炎天下で甲羅干しするのは、脱皮促進の行動と思われる。警戒心が強く、近眼ながら動くものに非常に敏感で、水中から人の姿を見つけて遠ざかってしまう。危険が迫ると、ひれのような足を和船の櫓(ろ)を漕ぐように動かし、素早く泳いで移動することができる。梅雨から晩秋にかけて繁殖し、比較的繁殖期は長い。雄が大きな穴を掘り、雌を抱えたままその中に入って、脱皮の時期を迎えるまで待つ。他のワタリガニ科の種に見られるように、交尾は雌の脱皮直後にのみ行われる。

【島内の目撃情報】
満潮時に、トリトリデッキ周辺を歩き回る姿が見られる。また、松原~浅間にかけてのイノーで、近隣住民が針金を巣穴に差し入れて捕獲している姿が見られる。シマグチでガセと呼ばれるが、空港建設以前のイノー/礁池には泥が無く、きれいな砂地やサンゴ礁であったため生息しておらず、主にタイワンガザミがそう呼ばれていたと思われる。すなわち、ワタリガニの類いを総じてガセと呼ぶようである。

※泥を取り除く処理に手間がかかるが、味噌汁にすると美味。特に松原~浅間のイノー産はマングローブよりずっと海水の塩分が濃いことと、もともと濃い風味のため、出汁が出ても身の味はさほど薄まらない。生きたまま調理するのは危険を伴うが、氷水を入れた大きめの容器にしばらく浸すと仮死状態となり、下ごしらえしやすく鮮度も落ちにくい。冷凍保存する場合は、茹でてからでないと、解凍時に身が溶けたり味が落ちてしまう。
観察できる場所天城町総合運動公園周辺のイノー

PageTop