左が大ばさみのヒメシオマネキは珍しい

ヒメシオマネキ ( A species of fiddler crab / No English name.)

名称(ヨミ)ヒメシオマネキ
中分類エビ目(エビ、カニ、ヤドカリなど)
小分類スナガニ科
形態甲幅2センチほどのカニ。本来なら雄は左右どちらかのはさみが大きくなるはずだが、本種に限ってはほとんどが右が大きくなる。眼柄(がんぺい)≒目の根元の棒の部分は長い。甲羅の色合いは総じて白もしくは灰色、小柄で未成熟のうちは砂色のまだら。雄の特徴的なはさみは上が白く下がオレンジ色や朱色、希に全体がオレンジや朱の個体もいる。雌のはさみは両方小さく朱色。歩脚は茶色。
概要【分布】
南西諸島から台湾、フィリピン、パラオにかけて分布する。砂泥の潮干帯、干潟に生息する。徳之島では、特に天城町総合運動公園、トリトリデッキ周辺で多数生息する。

【生態】
春から秋、暑いと感じられる日に巣穴から出てくる。警戒心が強く、素早く巣穴に逃げ込む。雄は雌の気を引くために、大はさみを大きく振る。明確な縄張りはないが、雄どうしが大はさみの見せ合いや、はさみ合い、タックルなどで争う。砂泥に含まれる有機物=動物の死骸や植物のかけら、プランクトンなどを砂泥ごと口に含み、こしとって食べる。産卵期は夏から秋と考えられるが、卵や幼生の大半は外洋に流出してしまう。

※雄の大はさみを振る動作が、満ち潮を招いているように見えることからシオマネキの名がある。そのような雄が雌の気を引く動作は全般にウェービングと呼ぶ。種によっては両方のはさみを振る。

ただし本種では、7番目の画像にあるように、ウェービングは単なる雄同士の縄張り争いらしく、雄が雌を背中で押すように迫る行動が、求愛行動と考えられる。

【島内の目撃情報】
天城町浅間~岡前の干潟に多い。特に、トリトリデッキ周辺の干潟で観察しやすい。
観察できる場所トリトリデッキ下の干潟が最も確実

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