略歴・解説
1946年神奈川県茅ヶ崎市生まれ。日本デザイナー学院研究科を卒業後、1968年に愛知県常滑市へ移り、陶磁器製造に携わった。1975年に独立して以降、陶器から磁器へと制作の中心を移し、白磁や青白磁による独自の表現を展開してきた。古くから土ものの産地として知られる常滑を拠点としながら、あえて磁器という異なる素材を選択したことも、吉川の制作を特徴づけている。
その関心は個々の器物制作にとどまらず、空間へも広がり、2005年には中部国際空港に巨大な陶壁と球状の立体造形からなる《Water of life 渚(Migiwa)》を設置した。吉川が作品の原点として語る故郷・茅ヶ崎の光や空気、水への感覚は、淡い青白磁の色彩や光を受けとめる表面とも深く結びついている。さらに2016年頃からは透明なガラスを磁器と組み合わせ、青白磁によって追究してきた水や光、透明性を、異なる物質の対比へと展開している。伝統的な技法を基盤としながら、器、彫刻、建築的空間、異素材へと領域を横断してきた作家である。