田峰の銅鐸

分類県指定
種別考古資料
所在地豊川市一宮町
所有者砥鹿神社
指定年月日S50.6.16
時代弥生
詳細解説この銅鐸は、天保2年(1831)北設楽郡設楽町田峯で出土したもので、その後三河一宮社である砥鹿神社に奉納されたことが当時の収納箱の箱書によってわかる。高さ36cm、鈕高11.5cmの大きさで、鐸身には六区画に分けられた弥生時代後期初頭の袈裟襷文が配されている。
大正5年、喜田貞吉氏が当神社に所蔵されていることを確かめ、昭和2年に梅原末治氏の『銅鐸の研究』に掲載され、広く学界に知られるようになった。
本銅鐸の特徴は、小型ながら三遠式銅鐸と呼ばれる突線文銅鐸の初現期の様相を物語る文様を持つことにある。鈕は扁平鈕式であるが、文様帯に2列の鋸歯文(実際は間を置いた櫛歯文になっている)と綾杉文、さらに重弧文という構成で、突線鈕式への前触れを示すこと、鐸身は斜格子文様の袈裟襷文で六区に区切り、下部を内向鋸歯文としその下辺を3条の突線で締めていることは、三遠式銅鐸の前段階であることを示すものである。三河地方に現存する保存状態良好な銅鐸であり、三遠式銅鐸の研究に欠かせない資料である。

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