岩場古墳出土品

分類県指定
種別考古資料
所在地西尾市吉良町白浜新田 吉良歴史民俗資料館
所有者西尾市
指定年月日S34.10.8
時代古墳中期
詳細解説吉良町小山田字大山の丘陵端部に所在する全長30m余の帆立貝式前方後円墳から出土した遺物群で、全長193㎝の埴輪棺(後円部から出土した棺専用に製作された円筒形のもので、前後に蓋が付く。円筒館ともいう)1組、埴輪円筒棺2個(前方部から出土した朝顔形円筒埴輪を転用して棺身にした高さ66㎝のもの1個と、この棺身の周囲と基底部を覆っていた高さ54㎝の円筒埴輪1個。埴輪棺ともいう)のほか、埴輪棺内から勾玉2個、管玉7個、鉄製大刀2口が、埴輪棺外から鉄斧、鉄鎌、鉄錐、短剣状小型鉄器、鉄鏃などがある。古墳時代中期(5世紀前葉ないし中葉)の矢作川下流域における代表的な古墳出土品として一括指定されている。
これら出土品は、まず昭和25年(1950)夏、吉田中学校歴史クラブの生徒が岩石採集の際に前方部で埴輪片と人骨を発見したのをきっかけに10月に発掘調査が行われ、埴輪円筒棺が検出された。続いて翌26年10月、後円部墳頂での植樹をきっかけに、後円部中央からやや南に下がった位置で埴輪棺が発見され、発掘調査された結果出土したものである。特に棺専用として作られた埴輪棺の身と蓋の接合部には、青色粘土が詰められていたという。こうした埴輪棺は全国でも25例程しかみつかっていない特異な資料である。
なお、岩場古墳そのものは昭和36年、県指定史跡に指定されている。

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