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井ケ谷古窯跡群出土品(愛知教育大学蒐集)

分類県登録
種別考古資料
所在地刈谷市逢妻町
所有者刈谷市
指定年月日R7.2.12
時代奈良~鎌倉
詳細解説猿投窯は名古屋市東郊から、旧尾張国と旧三河国の国境にかけての丘陵地帯に所在する、日本屈指の規模を有する古窯跡群である。その内、境川と逢妻川に挟まれた猿投窯井ケ谷地区(刈谷市・豊田市)では、古代の窯跡が約45基、中世前期の窯跡が約20基確認されている。
本出土品は洲原第7号窯・洲原第8号窯(8世紀第4四半期)、灰山古窯・寺山第1号窯・寺山下古窯・松根第1号窯・松根第2号窯(9世紀)、松根第3号窯(12世紀末~13世紀初)から出土した須恵器、灰釉陶器、山茶椀である。これらの窯跡は愛知教育大学の校地(刈谷市井ケ谷町)に立地し、発掘調査は大学の校地造成に伴い、1967年、1968年に大学や当地の研究者等によって実施された。
猿投窯井ケ谷地区の、刈谷市域における古窯跡の本格的な調査研究は、1950年代後半から刈谷市誌の編纂や愛知用水の建設に関連して、様々な調査主体によって行われてきた。1958年には古窯跡群が刈谷市史跡「井ケ谷古窯群」として指定されている。2021年度から刈谷市によって古窯跡の分布調査が行われ、2022年に市史跡の構成文化財の追加と部分解除が行われた。また、2022年度には本出土品が愛知教育大学から刈谷市へ寄贈された。
本出土品は、猿投窯井ケ谷地区における古代陶器生産最盛期の変遷を把握できるもので、当地域の調査研究史上においても重要な位置を占める資料群である。

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