『愛知県朝日遺跡出土品』の画像

愛知県朝日遺跡出土品

分類国指定
種別考古資料
所在地清須市朝日貝塚 あいち朝日遺跡ミュージアム
所有者愛知県
指定年月日H24.9.6
時代弥生
詳細解説朝日遺跡は愛知県清須市、名古屋市西区に所在する、居住域と墓域からなる大規模な環濠集落である。庄内川と五条川にはさまれた濃尾平野中央に位置し、標高3~4メートルの微高地上に立地する。本件は、愛知県教育委員会および愛知県埋蔵文化財センターにより実施された、昭和45年度から平成19年度(1970~2007年)にかけての発掘調査で出土した主要な遺物2,028点から構成される。
その内容は、土器・土製品727点、木器・木製品253点、石器・石製品650点、ガラス小玉121点、金属製品37点、骨角牙貝製品240点である。
土器・土製品には、装飾性に富む赤彩土器や円窓付土器など東海地方に特徴的な資料が数多く含まれる。木器・木製品は鍬・鋤、斧柄など農工具のほか、容器類、武器・武具、祭祀具など多彩である。石器・石製品は打製石鏃、打製尖頭器などの武器類、磨製石斧をはじめとする生活用具、勾玉・管玉などの装身具があり、翡翠、緑色凝灰岩を用いた玉作り関連資料も含まれる。
骨角牙貝製品は、やす、銛、釣り針などの狩猟・漁労具、簪、垂飾など精緻な加工を施した装飾品、縫い針、紡錘車などの紡織具、卜骨などの祭祀具があり、未製品を含む製作関連資料も充実している。金属製品には銅鐸、銅鏃、巴形銅器、筒形銅製品、銅鏡など多彩な製品がある。銅鐸は集落南端に埋納された状態で出土し、青銅器埋納と集落との関係が把握できる重要な出土例である。
 以上、本件は東海地方を代表する弥生時代の大規模集落の出土品一括として、弥生時代の多様な生業、生産・流通の様相、精神生活を復元するうえで極めて重要な資料である。

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