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04-01-05. 昔ばなしの広場「千代が池白蛇物語」

資料ID156
名前(読み)ムカシバナシ ノ ヒロバ「チヨガイケハクジャモノガタリ」
名前(英語)The Tale of the White Snake by Chiyogaike, a square for the folklore
テーマみどりの散歩道コース
コース04.目黒川コース
コンテンツ01.海だった目黒川
資料紹介「一日も早く鎌倉へお入り下さい。そうすれば武士団も立ち上がりますから」

新田義興(ニッタ ヨシオキ)公は矢ロの渡しに着き、臣と共に舟に乗りました。舟は折からの満潮と雨後の増水で水量の多い川をゆらゆらとこぎ出しました。中程まで来ると船頭の頓兵衛はバランスをくずしたふりをして舟から落ち、舟の下の栓をぬいてもぐって逃げました。

「おや、水だ。舟が沈む」

その時対岸から矢が義興めがけて飛びかいました。

「謀(タバカ)られた」

「無念だ。だがこれまで」

公は自刃され、臣もおり重なってたおれ、水底に消えました。

胸さわぎがしてついて来ていた小者が一人、公の最後を見とどけて走り帰りました。館の門の扉が真夜中にけたたましくたたかれました。

「殿が……殿が亡くなられました」水を飲ませてもらって続けました。

「畠山国清殿の臣にだまし討ちされたのです」

と見てきた事を話しました。

義興公はその時、目黒の台地の、村の長者の館にいました。このあたりは新田氏に厚意を持っていたので、馬の世話、食料の調達、弓矢作りに協力しました。長者の娘は義興のお世話をすることになり千代の前と呼ばれていました。

千代の前は夜明けまで香をたいて祈っていましたが夜明けの光がさし込んで来た時、白装束に着がえ、館の上の湧水の豊かな池に身を投げて殿のあとを追いました。

その後村人はこの池に白い蛇が泳いでいるのを見ました。人々はこの池に千代が池という名をつけ、小さな弁天様をたてて拝みました。白蛇は日照りが続いた時、池の真中で身で梵字を書いて雨を呼んでくれたということです。村人は千代の前の悲しみを思い「お千代様は弁天様になられた」と信じていました。千代が池は今の目黒駅から北西方向、目黒一丁目あたりにあり、三段の滝がかかっていたそうです。
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コース紹介https://jmapps.ne.jp/9093/det.html?data_id=150
コンテンツ紹介https://jmapps.ne.jp/9093/det.html?data_id=151
関連人物名畠山 国清
 新田 義興

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