天地を巡るもの/大気循環<模型>

作者戸田 裕介 TODA Yusuke
制作年2018
設置場所
作品解説1出品作品コンセプト
春風に舞う塵埃。辺りを霞ませ花を散らし路傍に降り積もる。夏の海。水平線の彼方に湧き上る入道雲。最上部は成層圏にまで達する。黒雲は大粒の雨滴と雷鳴を孕んだまま猛スピードで移動し、やがて強烈な陽光に霧消していく。秋雨を担う大量の水蒸気。大洋から来て家家の軒を濡らす。冬枯れの田んぼで燃える稲藁。焚き火から昇る煙と水蒸気は踊り狂って天空を目ざし、凜とした冷気に出会い四散していく。

探究心旺盛な人類は、数々の実験で意図的にあるいは偶発的に自らを育む環境を破壊している。それでも大気の循環は止まらない。私は四季折々の風に運ばれる雲や煙を見つめながら形を写し取らない。私が見つめる循環には、あなたも私も含まれる。

2鑑賞する子供たちへのコメント
春風にのってひらひらとんでいく桜の花びら。小さな虫たちもとんでいる。夏の空、わき上がる入道雲。とつぜんせなかに大つぶの冷たい雨が落ちてきた。まっくろなカミナリ雲がいつのまにか頭の上にあって、ピカピカゴロゴロおおさわぎしてあっという間にきえた。秋、雨の季節。たくさんの雨はどこからくるの?空気と水が私たちのまわりをいつもグルグルまわっている。空と地面のあいだに風が吹く。ここには終わりがない。まんなかもない。はしっこもない。

人は目の前の問題を一生けんめい考えて、役にたつものをたくさん発明してきた。だけど、失敗した実験をこのまま続けても、もとどおりにもどせるのかをよーく考えたい。風はずっと吹いている。
資料ID21821
出展第28回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)、実物制作指定作品プラン

PageTop