3・4・5角 宇部のカメラ

分類別検索野外彫刻
所蔵者宇部市
資料名(日本語)3・4・5角 宇部のカメラ
Document NameTriangle-Square-Pentagon The Camera in Ube
作者佐藤 時啓 SATO Tokihiro
制作年2003
設置場所山口大学附属病院北門
材質コールテン鋼板、ステンレス鋼、ガルバリウム鋼板、苔(モスインネット)、レンズ
サイズ200cm×450cm×400cm
重量1600kg
出展第20回現代日本彫刻展 宇部興産株式会社賞
作品解説【作者コメント】茫漠として捕え難い光が、極めてシンプルな構造によって、映像として美しく物質化される。今回は、眼球と同じ球体の中に結像させる装置を制作した。外側からみれば、得体のしれない物体であり、内側に入れば映像空間となっている。私は彫刻に対して、「形態を成す表面が、物体としての内部空間までを想像させるものである」という認識をもっている。しかし、想像だけに留まるのではなく、表面と内部の構造が裏腹に関係した作品を作って見たくなったのだ。

[Creator’s Comment] The light, inherently vague and difficult to capture, turns into a beautiful, physical object through an extremely simple mechanism. For this work, I produced a device that forms an image within a sphere just like what our eyeballs do. While the exterior makes no sense, there is a visual space within the structure. I see sculptures as an art “with a tangible surface, designed to invite viewers to imagine its internal space as a physical object.” In this work, however, I wanted to create a piece that presents an internal structure that defies the external appearance, instead of leaving the internal space to viewers’ imagination.
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カメラの原理を用いた作品。三角形・四角形・五角形で構成される内側の壁が白く塗られてスクリーンの役割を果たし、四つのレンズから入る光景が全方向に映し出される。鑑賞者は彫刻の中で、彫刻の外側にある景色を、彫刻を通して体験することになる。野外彫刻の場合、作品と周囲の環境とのかかわりが常に問題とされる。ステンレスが彫刻の素材として一般化する1970年代以降、鏡状の表面に周囲を映す方法で両者の調和を図る作品が多く登場してきた。この作品は、表面(内部ではあるが)に風景を映す意味でその系列の延長上に位置づけられるが、これまでにない方法によって、斬新な視覚体験をもたらしている。ただし、それは単なる新しさを求める安易さから出発したものではない。例えば、具象彫刻では人物などの生命感は表面の力強さによって表現される。また形態よりも素材自体の存在を重視する作品でも、物質感は表面を通して伝達される。表面をスクリーンとして用いる発想は、こうした歴史を把握した上で、彫刻としての表面の在り方を考えることから導かれるのである。
資料ID21621
旧番号187

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