舞踊用彩色手持人形

ME. No.26
資料分類名舞踏用具 Dance Implement
現地名Figure
素材木、白色顔料(石灰)、黒色顔料(木炭)、赤色顔料(赤土)、青色顔料(Reckitt Blue)
L.(㎝)10
W.(㎝)6
H.(㎝)80
地域区分メラネシア Melanesia
推定収集地1ビスマルク諸島 ニューブリテン島ガゼル半島・セントジョージ水道 トーライ部族/Bismarck Archipelago, New Britain, Gazelle Peninsula and Saint George' Channel, Tolai tribe
収集者小嶺磯吉
寄贈者松江春次
執筆者1臺浩亮
解説1 ガゼル半島やデューク・オブ・ヨーク諸島、ニューアイルランド島南部では、男性秘密結社によって、トゥブアン Tubuan やドゥクドゥク Dukduk と呼ばれる大型の仮面とそれに纏わる知識が独占的に保有されている。トゥブアン仮面は黒色に彩色された円錐形の被り面である。前面には同心円文・多重円文による眼が描かれる。ドゥクドゥク仮面も円錐形の被り面であるが、細長であること、鮮やかな色で彩色される点で異なる。またトゥブアン仮面に特徴的な同心円文・多重円文の眼は、ドゥクドゥク仮面には描かれない。それぞれの仮面の制作権は個人や母系集団によって保有され、他の成員には秘匿され、製作される。葬送儀礼の際には、両仮面の演者は葉で拵えた衣装を身に着け、舞踏を行う。
 慶應大に所蔵される小嶺コレクションにはトゥブアン仮面、ドゥクドゥク仮面ともに含まれていない。しかし、コレクションの中には両仮面の演者を象ったと思われる意匠や同心円文・多重円文を使用する造形物が含まれている。これらの造形物が実際に儀礼の際に使用されたものであるかどうかは不明であるが、おそらくこの秘密結社の成員によって製作されたと推測される。
 小嶺はガゼル半島のココポを拠点に活動しており、現地の人々と直接遣り取りを頻繁に行っていたと推測される。そのために秘密結社に独占的に保有されるような芸術様式に関わる造形物の蒐集が可能だったかのかもしれない。
解説2 
本資料の掲載書籍南の會 1937『ニウギニア土俗品図集(上)』南洋興発株式会社、p.112 第48図1
吉川逸治 1963 『講談社版・世界美術大系 原始芸術』講談社、p.150 第19図左
土俗品図集No.714

この資料に関連する収蔵品

PageTop