アミメノコギリガザミ

アミメノコギリガザミ ( Mud crab )

名称(ヨミ)アミメノコギリガザミ
中分類エビ目(エビ、カニ、ヤドカリなど)
小分類ワタリガニ科
形態大きいもので甲幅20センチほどになり、1.5キログラムを超える大型種。甲羅はガザミ、イシガニなどワタリガニ科に共通する、イチョウの葉に似た形をしている。雄はのはさみは、体とは不釣合いなほど太く大きい。雌雄とも左右どちらかのはさみが大きく、それで貝を割り、小さいはさみで餌を口へ運ぶとされる。全体的に緑がかった褐色や茶褐色で、泥の保護色となっている。歩脚には黒っぽい網目模様があり、アミメの名の由来となっている。はさみは青っぽく、先は赤みがかる。色には個体差が見られ、性成熟に関係していると思われる。ワタリガニの類に共通する、もっとも後の足(第5脚)がひれのような形状になっている。

※ノコギリガザミのはさみは非常に強力で、挟まれると骨まで砕かれる可能性があり、観察や取り扱いには注意が必要。
概要【分布】
西太平洋からインド洋の亜熱帯から熱帯の沿岸に広く分布。川の流れ込む穏やかな湾や河口域、マングローブなどに生息する。徳之島では、前野、岡前、浅間にかけてのイノーで確認されている。

【生態】
マングローブなど、河川の影響を受ける砂泥底の潮干帯=泥の多い干潟に生息する。雑食だが肉食性が強く、貝を割って食べたり、素早い動きで魚やエビ、カニなども捕食する。また、デトリタス(落ち葉、枯葉など)や岩についたノリ類なども食べる。引き潮のときは巣穴に入り、満ち潮である程度の水位になると水中に出て活動する。夏場の夕方、干潟の巣穴から出ている姿が見られる。夜行性と思われがちだが、晴れた昼間に水中を活発に動き回ったり、甲羅干しする姿なども見られる。警戒心が強く、目が非常に良いため、水中から人の姿を見つけると遠ざかってしまう。水中で危険が迫ると、ひれのような足を和船の櫓(ろ)を漕ぐように動かし、素早く移動する。梅雨から晩秋にかけて繁殖し、比較的繁殖期は長い。雄が大きな穴を掘り、雌を抱えたままその中に入って、脱皮の時期を迎えるまで待つ。他のワタリガニ科の種に見られるように、交尾は雌の脱皮直後に行われる。

【島内の目撃情報】
前野、岡前、浅間にかけてのイノーで、近隣住民が針金を巣穴に差し入れて捕獲している姿が見られる。あるいは満潮時に、トリトリデッキ周辺を歩き回る姿が見られる。

※泥を取り除く処理に手間がかかるが、味噌汁にすると美味。島内産は塩分が濃いことと、もともと濃い風味のため、出汁が出ても身の味はさほど薄まらない。生きたまま調理するのは危険を伴うが、氷水を入れたボウルにしばらく浸すと仮死状態となり、下ごしらえしやすく、鮮度も落ちにくい。
観察できる場所天城町総合運動公園周辺のイノー(中・大潮満潮時)

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