ハブには、目と鼻の間にピット器官(三角の穴)がある

ハブ ( Okinawa habu )

名称(ヨミ)ハブ
中分類有鱗目(トカゲ、ヘビ)
小分類クサリヘビ科
形態体長は2メートルを超えて大型化する個体が見られる。頭は長い三角をしており、体は比較的細い。総じて体色は黄褐色で上面に暗褐色の独特の模様が入る。ただし、全体が赤褐色や暗褐色がかった個体など変異がある。島ごとに模様のパターンが異なる。
概要【分布】
南西諸島に分布。奄美大島、徳之島、沖縄島、伊江島、伊平屋島、久米島、渡嘉敷島に生息する。徳之島では森林でも見られるが、餌となるネズミ等が多い牛小屋の周辺、隠れやすい集落内のガジュマル周辺や牧草地、サトウキビ畑でも見られる。シマグチで、マジュンと呼ばれている。

【生態】
夜行性で、爬虫類、両生類、鳥類、哺乳類、あるいは魚類も捕食する。大きくなるほど、ネズミなどの哺乳類や鳥類を食べる傾向がある。毒性はニホンマムシに比べると弱いとされるが、一度に注入される量が多いため危険性が高い。咬まれた際は、専用器具による毒の吸引や、血清の投与など速やかな対応が必要である。また、リュウキュウイノシシなど、不用意に大きな動物を食べようとして死んでしまうこともあり、見境なく攻撃する場合がある。鼻と目の間にピット器官と呼ばれる熱を感じる部位があり、視覚として機能している。すなわち可視光線と熱が同時に見えている。そのため、夜間でも鳥類や哺乳類は見逃さない。春に交尾し、夏に卵を産み、秋に幼蛇が見られる。無毒のアカマタやリュウキュウアオヘビほど、巻きつく力は強くない。

※ハブ毒の危険性は毒性のみならず、例えば人体の頭部などを咬まれた際に放置すると、腫れによって気道が閉塞されて死に至った例がある。

【島内の目撃情報】
冬場は活発でなく、春から秋にかけて活発となる。ドブネズミやクマネズミ、ジャコウネズミなどはむしろ集落や牛舎とその周辺に多く、あまり山奥では見られない。特に雨上がりの蒸し暑い宵に、見られることが多い。盛夏には体温上昇を抑えるため、沢や樹上にいることがある。ただし、樹上ではハブだけなく、アカマタも見られる。
観察できる場所ハブの館(天城町役場内)

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