五十三次名所図会四日市・那古の浦三重川

分類美術工芸
縦(cm)37.60
横(cm)24.90
時代江戸 (刊年 安政二年)
西暦1855
作者歌川広重
解説 題名の那古のうらは、現在の鈴鹿市長太ではなく四日市湊。「なごのうら」という地名は各地にありました。三重川とあるのは三滝川のことでしょうか。河岸に家が並び、橋の袂(たもと)に茶屋らしき店が見えます。立て掛けているのは簾戸であろうか。橋を渡る飛脚の姿は、夏の暑さを印象付けますが、水をたたえる川の青さがむしろ、画面に清涼感を与えています。茅葺屋根の色合いと、松林のある浜辺のシルエットが好対照です。湊に帆を下した船が所狭しと並び、沖にも数隻描かれ、交通の賑わいを感じさせます。東の空に朝焼けが延び、一日の始まりであることを教えてくれます。

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