行書東海道四日市

分類美術工芸
縦(cm)25.90
横(cm)35.50
時代江戸 (刊年 天保後期)
作者歌川広重
解説 歌川広重は、様々な東海道五十三次のシリーズを作りましたので、それぞれのシリーズを通称で呼ぶことが一般的です。これは、題名が行書体になっているので「行書東海道」といわれるシリーズの作品です。
 右にはみ出てしまった鳥居、左に饅頭屋が描かれます。看板を読むと、おいわけ阿たり屋という店であることがわかります。店の中には饅頭をほお張りながら談笑する旅人と、背を向けて一人たたずむ旅人がいます。よく見ると、背中に薦を背負い、柄杓を腰に提げています。伊勢参りの途中であることがわかります。広重にとって四日市の追分は、鳥居と饅頭、薦と柄杓が欠かせない風景だったのでしょう。半分はみ出してしまってでも描いた鳥居に、それがよく表れています。

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