坂口安吾

作品名(ヨミ)さかぐちあんご
サイズ27.3×30.4
作家林忠彦 はやしただひこ
制作年1947
公開解説本作は、山口県周南市出身の写真家・林忠彦(1918-1990)が、植田正治や緑川洋一らと写真家集団「銀龍社」を結成した1947年に撮影されました。当時、“無頼派”と呼ばれ文壇を賑わせていた太宰治や織田作之助、そして坂口安吾といった作家たちは、銀座のバー「ルパン」をたまり場にしていました。若き林忠彦もそこに足繁く通って、彼らのポートレートを多く撮っています。
 特に、この前年『堕落論』『白痴』を発表し時代の寵児となっていた坂口安吾との交流は親密で、毎週坂口の自宅で催される飲み会へ通っていたほどです。ある日、新しいカメラを手に入れた林は、酒席でなく執筆中の坂口を撮影しようと、仕事場へ踏み込みました。これに坂口が渋々応じ、2年掃除していないという書斎の襖を開けると、そこに見えるのは紙屑の山と万年床、そして一斉に舞い上がる埃。ところが林はますます興奮して「これだ!今日は日本一の写真をうつす」と宣言。書きかけの原稿用紙の前に、坂口を座らせて撮影したのが本作です。これが翌年『小説新潮』で連載が始まった「文士シリーズ」のトップを飾り、林の出世作かつ代表作となりました。

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