荒磯

作品名(ヨミ)ありそ
サイズ128.5×42.6
作家小早川秋聲 こばやかわしゅうせい
制作年-
公開解説日野町黒坂出身の小早川秋聲(1885〜1974)の《國之楯》(1944年)はご存知の方も多いと思います。戦死した陸軍将校の頭部にたくさんの人から寄せ書きされた日章旗がかけられた作品です。米子市美術館は秋聲作品を2点収蔵しており、そのうちの1点がこの《荒磯》です。岩石にとまる7羽の鵜と荒波を描き、ほとばしる水しぶきは吹き流しの技法によりリアルに表現されています。長く制作年不詳としていましたが、日南町美術館、鳥取県立博物館などによる最近の調査研究により、1930年代ではないかと推測できました。1930年に秋聲が出版した『秋聲選集』も見つかり、《荒磯》と《鵜》という別作品の2点が収録されています。この頃、「荒磯」「鵜」をモチーフにした作品を秋聲は多く制作しているようです。世界各地を歴遊し見聞した秋聲は、自分を鵜に置き換え、海の向こうの世界に思いを馳せているのでしょうか。またはこの頃、世界恐慌が始まり、満州事変勃発と世界情勢は厳しくなります。ほとばしる海水のしぶきは慌ただしい情勢を表しているのかもしれません。

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