猫と芍薬

作品名(ヨミ)ねことしゃくやく
サイズ161.0×162.0
作家香田勝太 こうだかつた
制作年-
公開解説優しく平明な筆致で花や風景を描き続けた作者の香田勝太(1885〜1946)は、日野郡根雨原村(現・伯耆町)生まれ。県立第二中学校(現・米子東高校)を経て、東京美術学校(現・東京芸術大学)西洋画科に進学します。黒田清輝や和田英作の指導を受けながら、授業の一環として竹内栖鳳に日本画を学びました。美術学校で同級生の藤田嗣治は後年、香田について「学校を出る時分から、東洋の花卉の絵を油絵で日本屏風等に描くことを発明した」と記しています。本作もそうした油彩による屏風の系譜に連なる作品で、画面は2枚の絹地で構成されています。香田は帰省のたび、大山の裾野に自生する草花を東京・田端の自宅へ持ち帰って移植していました。土が合わず枯れてしまうこともありましたが、それでもめげずに植え続け「おお、きれいに咲いたね」と花に話しかけながら丹念に写生していたそうです。不惑を過ぎての欧州留学期間(1926〜29)を除き、東京暮らしが長かった香田にとって、まるで小さな大山のような庭は郷愁だけでなく制作意欲も大いに刺激されたことでしょう。この芍薬の庭も、愛する花に囲まれて暮らすという香田のあこがれ、すなわち理想郷だったのかもしれません。

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