南天に鴨図

作品名(ヨミ)なんてんにかもず
サイズ113.0×41.8
作家藤田台石 ふじたたいせき
制作年不詳
公開解説《南天に鴨図》には水辺を泳ぐマガモのつがいと植物たちが描かれ、穏やかな自然景が広がります。花鳥画の技法として知られる輪郭線を描かない没骨法(もっこつほう)を用い、全体的に淡い色調で表されていますが、画面上部のくっきりとした赤い南天の実が目を引きます。本作に描かれたマガモは、「冬の使者」とも呼ばれ、日本では冬季に湖沼へ飛来します。台石は花鳥図をたびたび制作しており、カモの他、タカやクジャクといった鳥を精巧かつ溌剌と描いています。また南天は夏に花を咲かせますが、寒風吹きすさぶ頃が鑑賞期として知られ、赤く丸い実をつけます。このようにマガモと南天はどちらも冬のモチーフであることから、寒期の情景を描いた一点と考えられますが、寄り添うマガモや鮮やかな草花からはどこか温かみを感じます。

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