飛田まつ氏像

サイズ40.0×25.0
作家辻晉堂 つじしんどう
制作年1934
公開解説 まさしく“古き良き時代の母の姿”と形容したくなるこの作品は、鳥取県を代表する彫刻家、辻晉堂(つじ しんどう/1910-1981)が24歳の頃に制作した、初期の代表作です。
 昭和6年に上京、彫刻の勉強を続け、院展に初入選するなど将来を嘱望されていた頃、急性虫垂炎を患い、病後一時療養のため郷里の根雨へ移った時期があります。その療養の期間にお世話になった友人達の紹介で、彼らの親をモデルに肖像彫刻を何点か制作しました。
 今回紹介する作品はそのうちの一点で、当時64歳の飛田まつさんをモデルに制作され、昭和9年3月に開催された第18回日本美術院試作展へ《清水一滴氏像》とともに出品。試作賞を受賞した、辻にとっても大変重要な作品です。対象をしっかりと捉えて制作された、素朴で実直な作者の人柄を伺い知ることができます。辻自身、大正3年に実母を腸チフスで亡くしました。とても穏やかな、やさしい表情を浮かべたこの作品に、亡き母との甘やかな想い出を重ね合わせる辻青年の姿を、垣間見ることができます。

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