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椀(ふた)

資料名(ヨミ)ワン(フタ)
地方名オワン、ヒラワン、フタ
収蔵番号008608
使用地浦安市猫実4-2-15
公開解説漆の木椀(平椀)、ふた部分。椀は飯や汁などを盛る器で、土製、金属製、木製、石製などがある。塗りものの椀は、近世以降、各地に漆器産地が整備され、冠婚葬祭用の食器として、飯椀、汁椀、平椀などが膳と組み合わされて使用された。この資料は、猫実村の名主家(醍醐家)から寄贈を受けたもので、多人数が集まる際に使用されたもの。前当主の故、醍醐和子さん(昭和8年生まれ)への聞き取りは以下の通り。

「寄贈した茶碗とかお膳とかは、みんな家で使っていたものです。いいのはうちで、お茶で使っていたので、そのほかのものを寄贈しました。一番古くは箱階段を寄贈しました。箱階段は主屋で使っていたもので、土蔵つくりで、2階にあがるのに使っていました。2階には格子があって、そこから下が見えたんです。昔は冠婚葬祭など、みんな家でやりました。今みたいにホテルなんか、ありませんでしたし。料理は功徳林さんが新井で仕出し屋さんをしていました。うちで冠婚葬祭とか大勢、人が集まるとき、料理人の方がうちに材料などを持ってきて、うちで作って、お客さんに出しました。お茶碗などはうちにあるもの(博物館への寄贈品)を使いました。材料は持ってきて、うちの台所を使って調理をしたんです。今の功徳林さんの親の親、おじいさんにあたる人が来ていて、料理をしていたのを覚えています。うちの台所で全部つくって、うちにあるお椀などに盛り付けて、それでお客さんに出しました。人が集まるところは、主屋の一番広いところを開放していました。私の結婚式は昭和24年(1949)3月です。私の結婚式のときも1日ではお客さんがいっぱいになってしまうので、2日に分けて家で行いました。当時はホテルなんてないし、人が多くて、うちに入りきれなかったんです。戦後で品物もないときでしたね。ちょうどキティ台風の前でした。」
キーワード醍醐家

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