博物館収蔵 №344
/2
ざる(ゆすぎざる)
資料名(ヨミ) | ザル |
---|---|
地方名 | ノリザル、ユスギザル、ノリカゴ、タケカゴ、アライザル |
収蔵番号 | 000344 |
使用地 | 海、猫実 |
公開解説 | 「ざる」は細く割った竹などで編んだ容器。関東地方以南ではマダケ製が最も多く、東北地方ではメダケやスズダケなど細い竹が使われている。また近年ではプラスチック製のものが一般的になっている。また浦安ではユスギザルと呼ばれる針金製のざるも使用されている。「かご」との区別が明確ではないが、ざるは浅い円形で、編み目がやや粗く、調理に用いるものが多い傾向となっている。 海苔とりにはマルザル、ユスギザル、カケゴの3つのざるを持っていく。これらは町内の漁具屋から購入した。主役はマルザルで、大きめなザルである。マルザルにはとれた海苔を入れる。ベカ舟には座る場所にサナイタがあり、その前にマルザルを置いて少し傾ける。傾けるとき、アカトリなどを台にしてあてがう。手でとった海苔を入れやすいように傾けるのである。手どりの場合、海苔をとるのは右手。海苔とりをするのにギッチョでやる(左手で海苔をとる)人は見受けなかった。 ユスギザルはマルザルの中に「すぽん」と入るざるで、主にとった海苔を洗うために使用するもの。マルザルが海苔でいっぱいになると、ユスギザルを置いて、マルザルに入った海苔をユスギザルの中に分ける。 個人差はあるが、マルザルに1杯~1杯半とれば多い方であった。マルザル1杯にユスギザルに少々で、だいたい海苔が1,500枚ぐらいすける感じであった。手どりのとき、7,000枚すけるくらいの分量をとってきたという人もいる。明日休みだという日を狙って、大量にとってきたのだという。 ユスギザルで海苔を洗うのは海で、真水では洗わない。ユスギザルに適当な量、2~3㎏程度の海苔を入れては、水の中で手を海苔の中に入れてグルグルと回す。海苔の汚れがあるときは、回りにザッーと土汚れが出る。海苔が水分を含んで、ざるが一杯になってしまう。調子よく、さっと船の上にあげる。船の中へはアカ(水)が溜まらないよう、船の外へ水が出るように、いい案配にヒョッヒョッと拍子をとって、洗った海苔をマルザルの中にあける。とるときよりも水を含んで、入りきれないぐらいの分量になってしまったという。 カケゴは単なるふただが、海苔をゆすぐ場合、マルザルのものをカケゴに移し、ユスギザルの方もカケゴや下駄箱に移して、マルザル・ユスギザルを空っぽにして、ユスギザルに少しづつ移してゆすいだという。ノリを少し移したりと、いろいろと便利なものであった。 |
使用年代 | 昭和 |
キーワード | 海苔 市指定文化財 |