12872
貝灰袋
資料名(ヨミ) | カイハイブクロ |
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地方名 | カイバイブクロ |
収蔵番号 | 012872 |
使用地 | 浦安 |
公開解説 | 貝灰用の袋。20キロ入り。袋には「特選 貝殻粉末 養鶏飼料 正味20㎏ 千葉県浦安町 有限会社金子商店」とある。金子商店では、貝を焼いて灰にして販売する貝灰工場を行っていた。この袋には「養鶏飼料」とあるが、このほか漆喰として家屋の壁などに塗る建築材料ともなった。かつて浦安では貝灰生産が盛んで、昭和44年(1969)に刊行された『浦安町誌』上では、詳細に書かれているので報告しておく。 貝灰製造所 本町では古くから、貝灰の生産が盛んである。江戸川沿いの道を通ると、貝殻が山のように高く積んである光景にぶつかる。貝灰とは、土地でとれる、アサリ、ハマグリ、カキ、バカガイなど種々雑多の貝殻を、かまで焼いてからふるいにかけてつくった、真っ白いうどん粉のようなものである。 工場の中は貝灰が煙のようにもうもうとたちこめ、むっとした熱気で働いている者は絶えず汗をかくので、作業中は真っ裸である。貝灰は別名を「漆喰」または「カキ灰」といい、家屋の漆喰や壁などの建築用材料として用いられ、耐熱耐火では一頭地を抜き、東洋的な白壁として、独特の肌合いと色彩は、他の追随を許さぬものがある。このほか農家の肥料として使われる。」 なお昭和40年(1965)刊行の『市川市葛南地区東葛飾郡浦安町動態図鑑』には、「加工修理」のその他の項目に、金子商店とカネカ貝灰製造が掲載されている。いずれも貝灰製造業者であった。また山本周五郎の『青べか物語』には「白い人たち」という貝灰工場を舞台とした章もある。 |
使用年代 | 昭和 |
キーワード | 貝灰 |