005749

むき包丁(バカガイ用)

資料名(ヨミ)ムキボウチョウ
地方名ムキミボウチョウ、カイムキボウチョウ、バカムキ、カイムキホウチョウ
収蔵番号005749
使用地猫実
公開解説貝をむくための特殊な包丁。浦安では「むき包丁(貝むき包丁)」などと呼ぶが、大田区大森地区では「むき棒」と呼び、地元の鍛冶屋が作っていたとされる。両刃で刃が薄いものは、アサリ、ハマグリ、バカガイ、トリガイ、シオフキ用で、両刃で刃が厚いものはアカガイ、サルボウ用である。カキをむく包丁は先が尖っており、片刃で刃が厚いものである。この資料はこの資料はバカガイ用の包丁。バカガイの場合、貝柱に二種類あり、大きい方を浦安ではオヤボシ・オオバシラ(大森ではオオボシ、メボシ)、小さい方をコボシ・コバシラ(大森ではコボシ、シリボシ)と呼んだ。オヤボシは天ぷら(かき揚げ)の最も重要な素材であった。
 バカガイ用の包丁は、歯の長さと厚みはアサリ用とほとんど同じであるが、口(先)のところまで幅があり、先が丸くなっている。アサリ用でもバカガイはむけるが、貝柱がとりにくく、柱を切ってしまうおそれがある。そのため、バカガイ用はアサリ用よりも幅広にできている。貝むき包丁は、浦安では荒物屋で売っていたが、鍛冶屋に依頼した人もいる。昔は深川包丁と言い、柄に「深川」の印が押してあるものを使ったという。またバカガイ用はなかなか売っていないので、「バカむき」として特別に注文したという。
使用年代昭和

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