博物館収蔵 №004579

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海苔すき枠

資料名(ヨミ)ノリスキワク
地方名ワク、スキワク、ノリツケバン
収蔵番号004579
使用地猫実
公開解説海苔すきを行う際に使用する枠。この枠の中に、刻んだノリを溶かした水を流し込む。海苔すき枠は町内の漁具屋で販売されており、大きさは千葉県漁連などで統一されていたという。千葉県産は小判という形であり、その外の地域は大判というサイズのものを使っていた。現在では千葉県も大判で統一されているが、昭和50年(1975)までは小判であったとされる。最後まで江戸前海苔は小判という雰囲気であったが、流通の問題もあり、全国規格の大判になったのは昭和50年代初頭のことであった。千葉県産の海苔、内湾の海苔は上物とされていた。
 なお、昭和48年(1973)に刊行された『新編 海苔養殖読本』には次のように記されている。
 乾海苔の判の大きさは、昔は大判、小判、広島判、仙台判などの区別がありましたが、現在は所謂「東京判」と「九州判」とに大別されています。東京判というのは戦時統制中に規定された判形(戦時判という)で、抄枠の内径縦六寸三分、横五寸八分を使用して作る乾海苔の大きさですから乾海苔の大きさですから、乾海苔そのものの寸法は多少縮小しています、これを普通「六三・五八」と呼んでいます。九州判というのは必ずしも九州全域に統一されている判形でなく、仙台判、広島判、東京判等に比べて大形のものをいつしか九州判と称するようになったもので、これにも抄枠内径、縦七寸横六寸三分のものと、縦六寸八分、横六寸三分のものとの二様があり、この両者が全国的判形です。東京判は千葉、神奈川二県の製品にしか残っておりません。昔は鮨(ノリ巻)用として、特別に大判「七寸五分・六寸九分」を作っておりましたが、今は厚抄きの海苔をノリ巻用とし、判の大小にはよらぬようです。
 また明治42年(1909)の『浅草海苔』では、枠の大きさとして次のように出ている。
 現今、大森にて用ゐる          大判 七寸五分に六寸九分
  同                  小判 六寸八分に六寸二分
 昔、御膳御用として抄立てたるもの        一尺二寸に一尺
 昔の食用としたる            大判 八寸に七寸四分
 昔の                 小判 七寸八分に七寸二分
 廣島判                (現在)八寸七分に七寸三分
 仙臺判                (現在)八寸に六寸九分
 なお、本館に残る海苔すき枠の内径は、ほとんどが縦6寸8分に横5寸8分(20.6×17.6㎝)で、これが千葉県で用いられた小判の大きさであったようだ。ちなみに現在の全国統一規格は縦21㎝×横19㎝である。
使用年代昭和

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