江戸名所百景「中川口」 

江戸名所百景「中川口」 

作成年(和暦)安政4年
作成年(西暦)1857
作成者歌川広重
出版・発行下谷 魚栄
公開解説「江戸名所百景」は、安政3年(1856)2月から同5年(1858)10月にかけて制作された、歌川広重最晩年の作品。全119枚のシリーズであるが、安政5年9月に広重が死去したため、最後の数枚は2代広重が補筆して完成させた。
 「中川口」は、中川と小名木川、新川、三本の川が交わるところの風景を描いた作品で、左下の角にわずかに見える建物の屋根は、中川船番所である。大きな筏が浮かんで真ん中左右に描かれている川が中川(左側が上流)で、客を載せている船2艘が見える川が小名木川、奥に流れる川が新川となる。
浦安(堀江・猫実)は、この図でいうと右上の題字の下あたりになろう。
浦安から江戸に向かう船は、旧江戸川を少し上り、妙見島の北を左折して新川に入り、中川船番所を経て小名木川を通り、日本橋まで物資や人を運んだ。昭和15年(1940)に浦安橋ができるまでは、この水上ルートが浦安の生計を支えていたのである。
キーワード江戸時代 安藤広重 浮世絵 錦絵 木版画 

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