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重力質 Ring ’03

分類別検索野外彫刻
所蔵者宇部市
資料名(日本語)重力質 Ring ’03
Document NameGravity Defied Ring '03
作者曽我 孝司 SOGA Takashi
制作年2003
設置場所ときわ公園・正面入口
材質鉄(亜鉛メッキ鋼板)、アルミニウム、鉛
サイズ390cm×560cm×400cm
重量950kg
出展第20回現代日本彫刻展、宇部市野外彫刻美術館賞、市民賞
作家のことば
作品解説【作者コメント】私は可能な限り日常とは違った空間を創り出したいと思って制作を続けています。
空間はいろいろな要素によって成立しているのですが、その中で"重力"が空間に対して最も強く影響を与えていると考えています。
その現象を1984年以来<重力質>と名付け"重力"を彫刻の素材の一つとして捉えてきました。
私の作品は、目に見えないあるいは手に触れることのできない"重力"を操作(物理的には不可能)することで生まれる非日常的な空間を体感する装置なのです。

[Creator’s Comment] My creative motivation is the production of a space as different from our everyday life as possible. Space consists of various elements, but I personally think that “gravity” plays the most pivotal role in the space. Since 1984, I have been calling such aspect of gravity as “gravitiness” and treating it as an element of my sculptures. My works are devices intended to provide unworldly experiences in a space where the invisible, intangible “gravity” is visually manipulated (while impossible in laws of physics).
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頭上高くに位置する直径四メートルのリングが、よく見ると、風に揺られて上下していることが分かる。それも先端ではなく、リングを支えているはずの壁面が大きく動くため、不思議な感覚が生じる。重量感をもたせるために黒く塗装された大きな物体。その動きは、リングが静止したままで、立っている地面の方が揺れているような、反転した感覚まで引き起こしてしまう。リング内部の動く仕掛けは、重心を点で支えてバランスを取る“やじろべえ”と同じで、非常にシンプルなものである。ただ、先端に鉛を足すことで、重心は極端に先端寄りに置かれる。当然、重心からの距離が長い方が動きは大きくなり、壁とリングがつながっていない(リングが空中に浮いている)ように見えるのである。偏ったバランスを隠して均一な重さに見せるトリックが、思考と感覚とのズレを生み出すことになる。地球上の存在は全て重力に支配されており、彫刻の歴史もこの問題を巡って展開してきた。人間が重力を支配することはできないが、一瞬ではあれ、この作品はそこからの解放をもたらす。
資料ID21623
旧番号189

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