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榕樹(ガジュマル)
| 分類1 | 記念物 |
|---|---|
| 分類2 | 生物 |
| ヨミ | ようじゅ(がじゅまる) |
| 解説 | 碇山家の庭に立つガジュマルの巨木は樹齢約160年、幹のまわり20m余り、枝の長さ14mもあり、嘉永の頃(1850年頃)に防風林として植えたものだと伝えられています。ガジュマルはクワ科に属し石灰質の地に育つ常緑樹で、成長が早く、台風に強い木です。材は盆や膳などの指物細工に利用され、大木が枯れたところはフクチと言って火持ちが良いため、煙管を吸う人はこれに火をつけて持ち歩いたものでした。また、ガジュマルは木の下などに地神(じがみ)を祀っていることが多く、神木と言われ、ケンムンが棲む木としても知られています。 ガジュマルの巨木の横には「村チンギョ」と呼ばれる井戸跡があります。ここは山集落で最も古い井戸であろうと言われ、かつてはサンゴ石を丸く積み上げるようにできていました。明治の頃までは、少し離れた岩間の湧水とこの「村チンギョ」で海岸部の人たちは水を汲んでいました。昔この辺りに住んでいた沖縄の人の中には、戦後も折に触れこの井戸へお参りしていたといい、人々の暮らしになくてはならない大事な井戸でした。 なお、ここから2、30mほど離れた道向かいに文久2(1862)年、徳之島に流罪となった西郷隆盛が上陸し、数日宿泊したという家があります。そこには三島玉丈という医者が昭和3年ごろ建てた「南洲翁逗宿の跡」という碑が残っています。当時は森という人の屋敷で、西郷が沖永良部島へ旅立つ際には牛皮表紙の書物を5・6冊頂いたそうです。西郷は2カ月余り徳之島で過ごし、その間度々山(さん)にやってきては子どもたちに読み書きや相撲を教えたと伝えられています。 |