菅井梅関筆 竜図

公開資料名竜図
解説作者:菅井梅関
制作年:江戸時代後期
技法:絹本墨画
員数:一幅
寸法:89.2×36.2
 師の江稼圃が中国に帰る際に贈った梅関の墨梅図が、彼の地で、梅を愛した文人画家、梅道人(呉鎮)の絵画に似ると好評を得たそうです。稼圃からこの知らせを受けた梅関は、号を「東斎」から「梅館」に改めたと伝えられます。この絵にもある「梅館」の号を用いたのは三十代半ばから十年ほど、長崎や京坂にいた時期に当たります。
 主題の竜の顔は輪郭線ではっきりと描く一方、身体は雲の向こうの暗闇にゆらりと僅かに浮かび、手前の木々は荒々しい筆線と墨の濃淡のみで風に靡き雨にかすむ様子を表すなど、墨一色による巧みな技法が目を引きます。木々の枝をしならせ、葉をとばさんばかりの風雨に対し、身体をうねらせた龍は挑むように向かっていきます。
公開備考

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