江稼圃筆 墨竹図
| 公開資料名 | 墨竹図 |
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| 解説 | 作者:江稼圃 制作年:江戸時代後期 技法:絹本墨画 員数:一幅 寸法:86.1×39.8 四季を通して青々とした竹は、冬でも枯れない松と、寒さに耐えていち早く開花する梅とともに、日本で古くから縁起物とされてきました。中国ではこの三つを、がまん強く清廉潔白な人にたとえて「歳寒三友」と呼び、特に文人画の画題として好まれました。 竹のしなやかにたわんだ幹や、鋭い葉が重なるようすが、ためらいのない筆遣いと墨の濃淡で巧みに表されています。水気の少ない筆のかすれを利用して表現された岩や竹の葉先との対比で、幹の瑞々しさが際立っています。 菅井梅関は京都で修行中のある日、扇に描かれた江稼圃(生没年不詳)の絵を目にしてその俗気のなさに感動し、教えを受けるため長崎へ向かったと伝えられます。真相はわかりませんが、俗気を嫌い、優れた人格や精神を絵画にあらわそうという文人画の考えを、本図のような稼圃の絵画に見てとったものと想像されます。 |
| 公開備考 |