江稼圃筆 墨梅図

公開資料名墨梅図
解説作者:江稼圃
制作年:江戸時代後期
技法:紙本墨画
員数:一幅
寸法:163.2×52.5
 梅の木が、太い筆と濃い墨で、画面をはみ出すほどに大きく描かれます。荒々しい筆遣いでごつごつとした幹や枝を描き、冬の寒さに耐えて芳しい花を咲かせる、梅の生命力の強さを表しています。
 賛文は「孤根、峻嶺ニ依ル」、すなわち、険しい山岳に凜として生きる孤高の梅の木を描いているのです。
 黒々とした幹の端をよく見ると、小さな円い梅の花や蕾がところどころにあり、早春の、今まさに開花を迎えた時とわかります。
 筆者の江稼圃(生没年不詳)は文化元年 (1804)に初来日して以降、複数回の来日時に菅井梅関をはじめとした画家に文人画の画法を伝えたことから、来舶四大家の一人に数えられます。
 こうした稼圃の墨梅図は、梅関にとって良き手本となりました。梅関が多く描いた墨梅図の中には「稼圃先生の筆意に倣った」と明示しているものもあります。
公開備考

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