呉春筆 垂桜双鳩図

公開資料名垂桜双鳩図
解説作者:呉春
制作年:江戸時代後期
技法:絹本著色
員数:一幅
寸法:108.5×39.9
 細かな部分まで丁寧に写し描いた鳩と、対照的に筆の線を活かして一気に枝を描いたしだれ桜が、美しく組み合わされています。
 花鳥画は、中国絵画など他の絵を手本としたことにより、日本には生息しない中国の動植物が描かれたり、実際とはやや異なる姿で描かれることも多くありました。近世になると、ここに描かれているように、身近なものを題材に選び、実物をよく観察して写実的に描いた、これまでにない花鳥画も制作されました。
  筆者の呉春(1752~1811)は京都に生まれ、はじめ与謝蕪村(1716~1784)に学んだ南画の俗気のない清々しさや俳諧の詩情を学んだ後、円山応挙(1733~1795)の緻密さや写生への意識を学び、両者の美点を組み合わせた新たな画風を確立して四条派の祖として人気を得ました。仙台藩出身の画家、東東洋と親しく交流し、合作も複数残っています。
公開備考

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