小池曲江筆 西湖図

公開資料名小池曲江筆 西湖図
解説作者:小池曲江
制作年:弘化2年(1845)
技法:絹本墨画淡彩
員数:一面
寸法:69.5×130.0
 西湖は中国浙江省の景勝地で、右の島にのびる堤は白居易(772~846)の建造、その島は林和靖(967~1028)が庵を結んだという孤山、六つの半円の橋がかかる特徴的な堤は蘇軾(1036~1101)の建造など、中国の有名な詩人ゆかりの地としても知られます。中世以来、日本でも憧れの地として多く絵画に描かれました。
 落款から、曲江八十八歳の作とわかります。高齢の画家とは思えない細かな描き込みが目を引く、晩年の大作です。曲江は中国に渡ったことはありませんが、先例の西湖図の構図に倣いながらも独自に学んできた山水画由来の建造物を独自に多数描き加えるなど、自由な発想で憧れの景勝地を見事に描き上げています。賑やかな雰囲気を醸す画中の人物に想いを馳せれば、土地も時間も超えて、中国の名所遊覧の気分を味わえるようです。
公開備考

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