わたしたちの壁画’88

作家名永井一正
作品名わたしたちの壁画’88
Title (English)The Exhibition "Joint Work by Children 1988"
制作年1987年
制作年(元号) 昭和62年
技法・材質オフセット・紙
サイズ(縦) H ㎝ 103.0
サイズ(横) W ㎝ 72.8
作品解説永井の初期のポスター作品は'66年の《LIFE》にみられるように、直線と曲線、色面を用いた幾何学形態によって構成されていた。その後'74年の《リリカラー》では、平面的な構図から脱却して、奥行きのある永井独特の壮大な空間を作り始める。そこにおいて、定規とコンパスを用いて描かれた幾何学形態は、永井の形作る三次元的な空間に配されることにより、生命がうごめくような有機的な印象を与えるようになる。永井自身、作品に「何か人間の情念のようなものを盛り込もうと意図」したと語っている。
 画面にさらなる生命感を表現したいと考えた永井は、'86年から動物シリーズを描き始める。'88年の《JAGDAポスター展"JAPAN"》では、蛙あるいは亀といった動物が、日本の伝統的装飾模様とともに画面一面を覆い尽くしている。定規を使わずに描かれた、素朴で伸びやかな動物たち、角を生やし、首の長い空想上の動物たちには生命感が躍動している。作者が訴える、人間と他の生物との共生は、近年のエコロジーへの関心とも合致する。

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