岐阜郡上八幡・1975年(「風姿花伝」より)
作家名 | 須田一政 |
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作品名 | 岐阜郡上八幡・1975年(「風姿花伝」より) |
Title (English) | Gujo-Hachiman, Gifu Prefecture, 1975, from "Fushikaden" |
制作年 | 1975年 |
制作年(元号) | 昭和50年 |
技法・材質 | ゼラチン・シルバー・プリント・紙 |
サイズ(縦) H ㎝ | 32.0 |
サイズ(横) W ㎝ | 32.0 |
作品解説 | 須田一政の「風姿花伝」シリーズは、写真雑誌『カメラ毎日』の1975年12月号から1977年12月号まで、2年にわたり発表された後、同題の本としてまとめられたものです(朝日ソノラマ、1978年)。発表されているのは、作者が、関東や東北、北陸地方を旅して出会った人々や祭りの場面です。雑誌の発表時には「あじさいの頃」「梅襲」「越中風の盆」などのサブタイトルがつけられていました。野道を一人歩く真っ白な服の少年、梅花林の祭事幕に影を落とす隆々とした木の幹、五月祭りの日の空に現れた黒い雲、古い建物の壁を這う蛇など、正方形のフォーマットに白黒の強いコントラストで写し出された対象は、見る者に強い印象を与えます。 作者はこのシリーズについて、「すべて6×6のフォーマットで撮影した。真四角の構図は、ある種のためらいをばっさりと切り取る潔さを持っている」「暗室テクニックは使わず、ほとんどをストレートプリントで仕上げている」と語っています(『須田一政作品展「風姿花伝」』JCII Photo Salon, 2005年)。「須田調」と呼ばれたこのスタイルは、その後の写真表現に大きな影響を与えました。タイトルの「風姿花伝」については、「世阿弥は能役者の所作に「幽玄」を求めたが、私は私がふとした瞬間に見た傍らの「幽玄」を写真にとどめたい」と述べています。祭日のようなハレの日に、あるいは日常の一瞬に現れる異界を浮かび上がらせたこのシリーズは日本写真協会新人賞を受賞、作者の代表作となりました。 当館では、このシリーズより抜粋された24点と、シリーズ中の1点と似た別カットの計25点を所蔵しています。 本作の初出は、『カメラ毎日』1975年12月号、74頁、「風姿花伝<1> あじさいの頃」。 |