夏冬山水図屏風

作家名小室翠雲
作品名夏冬山水図屏風
Title (English)Screen with Summer and Winter Mountain
制作年1923年
制作年(元号) 大正12年
技法・材質絹本墨画淡彩・六曲一双屏風
サイズ(縦) H ㎝ 各167.0
サイズ(横) W ㎝ 各360.0
作品解説本作は六曲一双屏風それぞれに夏と冬の山水図を描いたもので、おのおのに画賛が記されています。

左隻にあたる、冬をあらわす屏風の画賛には、一部判読が困難であるものの、「雪晴れて、水面と空は落日の陽光を残す。数軒の粗末な家が森のある山並みに添っている。一艘の舟が枯れた芦の葉むらの脇にあり、風に澄んで伝わる雁の声が寒・ざむとしている」の意味の画賛が記されています。画賛の最後には「癸亥三伏」とあり、関東大震災がおこる1923(大正12)年の酷暑の季節に描かれたとあります。加えて「暑さを忘れるためこの絵を描いた」と記され、あえて冬の風景を表現した意図を諧謔味をこめて説明しています。

右隻にあたる、夏の山水図の画賛には、「一本の滝が高い山から落ち、大気は雲を帯びて濃密。隠遁する人の影が折り重なる山やまの下にみえる。私はただひたすらに青い苔が大地を覆い満ちていることを愛する」とあり、文人が理想とする境地を、夏と冬に描き分けていることがわかります。

PageTop