解説 | 成瀬正一は、明治25(1892)年4月26日に現在の神奈川県横浜市に生まれ、後にフランス文学者として活躍しました。菊池寛と成瀬はともに明治43年に第一高等学校文科に入学し、そこで芥川龍之介、久米正雄、松岡譲といった、後に第4次『新思潮』を創刊するメンバーと出会います。成瀬の両親は香川県出身で、成瀬は菊池と特に親しくしていました。菊池がマント事件の罪を負って一高を退学しなければならなくなった時、成瀬は父母の協力も得て、物心両面の援助をしました。成瀬の日記や書簡からは、菊池や芥川など文豪たちの青春時代が伺えます。 |
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