bystander #004
| 分野 | 写真・映像 |
|---|---|
| 作家名 | 片山真理 カタヤマ・マリ |
| 制作年 | 2016年 |
| 寸法 | 42×56㎝ ed.1/3 |
| 材質 | Cプリント、額 |
| 解説 | 2015年から2017年にかけてリサーチ、制作、発表された三部作「shadow puppet」「bystander」「on the way home」のうちの1シリーズ「bystander」の1点である本作は、自身の手の役割をテーマにした「shadow puppet」の制作とほぼ同時期に直島で滞在制作したもので、「瀬戸内国際芸術祭2016」で発表された。 「直島女文楽」の黒子の女性たちの手をプリントしたオブジェの上に、片山自身の手と黒子の女性たちの手が添えられた様子が被写体となっており、《bystander #024》(高松市美術館蔵)ではオブジェの表面に現れた他者の身体が、本作の中では直接的な被写体として登場している。本シリーズの作家ステートメントにおいて、文楽人形の足や背骨となる黒子たちの手によって、人形たちが生き生きと動き出す一方で、存在を消さなければならないという黒子の役割とその振る舞いを見たことから、片山は「まるで傍観者(bystander)のような振る舞いは私たちが歴史の授業で知った過去を背負ってきた人々の生き様に重なった」と述べる。本シリーズでは、初めての他者の身体性を作品に取り入れることを試みているが、身体的な一人での活動の限界が「人の手を借りる」ことによって発展する過程は、多数の個の協働によって社会活動が発展する関係性や、そこに付随して活動範囲等が拡張する身体性にも通じるのではないだろうか。 |