bystander #024

分野写真・映像
作家名片山真理 カタヤマ・マリ
制作年2016年
寸法120×90㎝
ed.1/3
材質Cプリント、装飾された額
解説 2015年から2017年にかけてリサーチ、制作、発表された三部作「shadow puppet」「bystander」「on the way home」のうちの1シリーズ「bystander」の1点である本作は、「shadow puppet」の制作とほぼ同時期に「瀬戸内国際芸術祭2016」のために直島で滞在制作し、インストール時に展示空間の都合により、未展示となったものである。
 「直島女文楽」の黒子の女性たちの手を表面にプリントしたオブジェを身に纏った片山が、瀬戸内海を背景にして直島の砂浜に横たわっている様子が収められている。「bystander」シリーズでは、足がない文楽人形の足音を黒子たちの手が楽器や拍子木でつくり出していることを主題にし、「shadow puppet」シリーズでは、自身にとって手が両足の代わりになり、また手が自身の作品を生み出すことを主題にしていることから、「手が足の代わりになる」という両シリーズの共通点を見出すことができる。また本シリーズの制作過程において、他者の手のオブジェという異物を自分の中に取り込んでいくことに時間を要したという片山は、違和感を自身の中に受け入れていく過程を、新調した義足に慣れるまで歩き続け、壊れるとまた新しい義足に慣れるために歩き続けるという、9歳から続く義足の経験に似ていると言及している。

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