撮影:高橋 章

彫漆月之花手箱

作品名カナチョウシツツキノハナテバコ
番号7174
分野漆工芸
制作年1942年
作家名音丸耕堂 オトマル・コウドウ
材質
寸法縦:27.3cm  横:30.3cm  高さ:22.5cm 
解説第五回新文展特選。素地は檜。被せ蓋造りの箱で、身は四段重ね。黒漆を二十回ほど塗り重ね、その上に白、朱、白、黄など明るい色漆を塗り重ね、最後に黒漆を厚く塗り重ねている。《月之花》とは、夕顔のこと。白い花を夏の夕方から開き、翌朝にはしぼむのでいう。夕顔の葉は一番上の黒で肉付けし、花は黄と白、それ以外の部分は最初の黒まで彫り下げている。花を浮かび上らせる立体感が生まれ、効果的である。薄暗い夕闇に、月明かりでほのかに照らし出された夕顔。「夕顔の 咫尺に咲ける 夕涼み」とは、制作に際しての作者の句である。

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