皿の上の炎

分野油彩等平面
作家名上田薫 ウエダ・カオル
作品名カナサラノウエノホノオ
制作年1988年
寸法縦:181.8cm 横:227.3cm
材質油彩・カンヴァス
解説広島市現代美術館の開館にあたり、広島市が当時活躍していた78人の現代作家に「ヒロシマ」をテーマに作品制作を委託し、上田はその一人に選ばれ《皿の上の炎》(1988年、広島市現代美術館蔵)を描き、作品が収蔵された。本作はその時に描かれた作品の一つで広島市現代美術館蔵のものとは写真の燃え方が少し違っている。写真は、自身が生まれた頃に撮られた家族写真であり、女性に抱かれた子は幼い上田である。
上田は本作について「私はこのテーマ(註:「ヒロシマ」)をごく個人の問題として絵にしました。個人生活の壊滅にたいする不安こそが人類や、世界や、未来にたいする意識の原点となるからです」(『 広島・ヒロシマ・HIROSHIMA―国内外の制作委託作家78名によるヒロシマの心―』広島市現代美術館、1989年)という言葉を寄せている。皿の上で燃える家族写真は、平和な日常が戦火によって壊滅させられることを暗示しているのだろうか。作品に暗喩的な意味を込めることの少ない上田にとっては珍しい作品である。

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