今朝の海

作品名カナケサノウミ
分野水彩・素描
制作年1990年頃
作家名野見山暁治 ノミヤマ・ギョウジ
材質インク、グワッシュ・紙
寸法縦:57.2cm 横:76.1cm
解説「わたしの場合、形はつねにある生きものだ。生きたものは静止していない。いかに緩慢であっても、時と共に変化する。」と述べるとおり、セザンヌやキュビスムに傾倒していた渡欧前、鮮明な色遣いに変わった渡欧時代、急速に抽象化が進んでいった1990年代、抽象性を強めながらも鮮やかな色彩が目立つようになった2000年代と、野見山の画風はその時々において大きく変化する。
22年作家の逝去に伴い、野見山暁治財団より8点素描の寄贈申入れがあった。当館では、《虚空》(1962年)と令和3年度本人より厚志の寄贈《今日という今日》(2002年)の2点を所蔵しているが、大胆で荒々しい筆遣いの跡や絵具のたれ、余白が効果的に用いられ、色やかたちが共鳴しせめぎ合いながらダイナミックな動きを特徴としている野見山作品の制作過程をこれら素描から伺い知ることができる。
なお、《今朝の海》は個展(2011年、ブリヂストン美術館〔東京〕他)に出品歴もあり、油彩画《部屋の中の海》(1990年、個人蔵)との関連作品である。

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