瀬戸内国際芸術祭2022大島における「逃走階段」に関する計画資料

作品名カナセトウチコクサイゲイジュツサイ2022オオシマニオケル「トウソウカイダン」ニカンスルケイカクシリョウ
分野その他
制作年2022年
作家名鴻池朋子 コウノイケ トモコ
材質紙資料、計画模型、写真、ミクストメディアほか
寸法サイズ可変
解説2019年より瀬戸内国際芸術祭に参加し、大島で作品を制作し始めるようになった鴻池。安全で管理されたこの島に息苦しさのようなものを感じ、参加初回は、1933年に青年団によって作られた周回路「相愛の道」を見つけ復活させ、その森の中に《大島皮トンビ》を吊ったほか、入所者の言葉を道の随所に設置した《リングワンデルング》を発表した。
続く瀬戸芸2022には、若林奮の《緑の森の一角獣座 模型》(1996-97年、WAKABAYASHI STUDIO蔵(神奈川県立近代美術館寄託))にインスピレーションを得て、大島で誰も気づかない場所から密かに脱出する逃走ルートを構想した。これらは、構想のアイデアメモやスケッチ、そして模型であり、当館では「インタータイダル・ゾーン(潮間帯)」と名付けられた部屋に若林の模型や国立療養所菊池恵楓園絵画クラブ「金陽会」の絵画と共に展示された。実際の《逃走階段》は、「しがら」という木を切って土留めする方法と、崖崩れで落ちた浜の石を三叉とチェーンブロックで吊り、それをウインチで引っ張り上げて石段を組む方法とで完成させたが、浜辺に降りる階段が危険を伴うとの実行委員会の判断により、オフィシャルツアーに限り作品公開された。従って、本模型等の資料は、大島の存在、鴻池自身、そして瀬戸芸の記録としても貴重なものである。

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