Trinitite-サイパン島同胞臣節を全うす
| 分野 | 油彩等平面 |
|---|---|
| 作家名 | 平川 恒太 ヒラカワ・コウタ |
| 作品名カナ | トリニタイト-サイパントウドウホウシンセツヲマットウス |
| 制作年 | 2013年 |
| 寸法 | 縦:181.0㎝ 横:362.0㎝ |
| 材質 | アクリル、油彩・カンヴァス |
| 解説 | 「Trinitite(トリニタイト)」は、太平洋戦争中に陸海軍の委嘱によって画家たちが描いた「戦争画」を黒絵具を使って同寸模写した平川の代表的なシリーズ。敗戦後、GHQに押収された戦争画は、1970年に「無期限貸与」というかたちで日本に返還されたが、その制作経緯や日本が侵攻した国々への配慮といった政治的な事情から、日本美術史上では長らくタブー扱いされてきた。平川はそうした歴史を踏まえ、見ることも描くことも困難な黒絵具による戦争画の模写を通して、現代人の戦争への距離感を描き、戦争画の持つ歴史画としての役割を「ケイショウ(形象/警鐘/継承)」することを試みている。 シリーズ名の「Trinitite」は、人類初の核実験「トリニティ実験」で生成された人工鉱物(原爆の光熱により地表の砂が溶けて生まれるというガラス状の結晶)の名称にちなんでおり、「画面全体を覆うキラキラした物質が、全てが燃え尽きて焼け野原になっても、確かに残る痕跡のように、その存在を示唆」(木村絵里子、VOCA展カタログより)している。本作の原画は、1944年7月、サイパン島から日本軍が敗退した時に、藤田嗣治が発表した同名の絵画である。 |