タイム・アンド・スペース/イサム・ノグチ、1989年作

分野写真・映像
作家名潘 逸舟 ハン・イシュ
作品名カナタイム・アンド・スペース/イサム・ノグチ、1989ネンサク
制作年2022年
寸法(9点)各縦:10.0㎝ 横:7.5㎝ (26点)各縦:7.5㎝ 横:10.0㎝ 35点組
材質インクジェットプリント 35点、ed1/3
解説本作は、イサム・ノグチによる高松空港開港記念碑《タイム・アンド・スペース》(1989年)に取材したもので、同作の石の間に生える雑草を接写した35点からなる写真作品。1 点 1 点に種名と原産地等が書かれたキャプションが添えられる。中国で生まれ、9歳の時に日本に移住し、これまで国籍や自身のアイデンティティを模索する作品を多く制作した潘は、日本人の父、アメリカ人の母を持ち、両国で活動したイサム・ノグチについて興味を持ち香川の地を調査する中で《タイム・アンド・スペース》に出会った。
ノグチは、作品の周囲の植物の種類や刈り方まで細かく指定したというが、時を経て、作者が全く意図しない形で雑草は自由に生えている。それを見た潘は、「重い石と石の隙間に、したたかに生きる草たちは、ここで芸術の一部となり得るのだろうか」と考え、記念碑として作られた強固な石の彫刻の上に自生する雑草の存在を、巨大な石彫とは対照的な手軽なスナップ写真で表現した。芸術とそうでないもの、人工と自然、過去と現在など様々な対比を感じさせる。

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