軍装姿の自画像

番号1944
分野油彩等平面
作家名ユアサエボシ ユアサ・エボシ
作品名カナグンソウスガタノジガゾウ
制作年2022
寸法縦:227.3㎝ 横:162cm
材質アクリル・カンヴァス
解説【ユアサヱボシがともに活動した尊敬する画家である】山下菊二の《日本の敵国米国の崩壊》(1943)を題材にした、という設定で描かれた架空の自画像。
中央に描かれた人物の顔は、【当時山下菊二の制作を手伝っていたユアサがモデルをつとめた】という設定から、《日本の敵国米国の崩壊》の中央に描かれた自画像のように、透明のマスクで顔半分を覆っている。
書き割りの背景には、日本軍が進軍したと思われる南国の植物が描かれ、その前で銃と測量の器材を持ち軍服に身を包んでポーズをとるユアサが立っている。これは、【ユアサが持病のヘルニアによって徴兵されなかったことから、戦争に対しての憧れと従軍できなかった申し訳なさを持っていることの現れ】であり、また、【生活が苦しくなりやむを得ず始めた工事現場のアルバイトをしていたこと】を示唆している。
ユアサの作品には作者からの解説も必ず付けられていて、その設定も含めて作品として成立している。架空の画家に擬態し、事実に基づいたいかにもありそうな設定で固めていくという歴史をコラージュするような手法が興味深い。

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