蟹香合

作品名カナかにこうごう
番号7382
分野漆工芸
制作年不明
作家名山下光雪 ヤマシタ・コウセツ
材質
寸法高さ:3.2cm 径:8.7cm
解説外箱蓋包み紙に「鷹ヶ峰彫」「堆黒カニ芦丸香合」「即中斎箱」と、内箱蓋表に「十ノ内」、側面に「愛宕山 光雪作」と、印で「光雪」とあり、まら裏には「堆黒 カニ芦丸香合 乍?」「鷹峰彫」と、そして作品の裏に「光雪」と書かれている。おそらく即中斎(表千家十三世家元)ご所蔵していたもので、光雪が京都光悦寺(愛宕郡鷹峯村)で制作したものだろう。
蓋表は青海波を朱入りで地文にし、黄色・朱色・黒色が交互に塗り重ねられ、下半分朱色のサワガニが岩場から出てきて芦を挟もうとするする姿が、膨らみ豊かに彫り出されている。身と蓋の側面は、水草のようなデザインが繰り返されており、香合の多くが雷文をめぐらされていることから、大変珍しく思われる。当館所蔵の鎌田稼堂作《堆黒地紅 香盒》(3.1×8.3㎝)の蟹とほぼ同形であること、また《堆黒葦蟹 香盒》(3.4×7cm)と同じく芦をモチーフにしていることから、高橋皖山の師である鎌田稼堂に倣ったものであろう。箱書きには、堆黒とあるが、実際は紅花緑葉である。

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