堆黒香盒

撮影:高橋章

堆黒香盒

作品名カナツイコクコウゴウ
番号7361
分野漆工芸
制作年不明
作家名玉楮蔵黒 タマカジ・ゾウコク
材質
寸法径:7.2cm 高さ:2.8cm
解説内箱蓋表に「堆黒香盒」と、内箱蓋裏に「先考 玉楮蔵黒作 賛岐文綺堂蘭斎鏨之」と書かれており、玉楮蔵黒が制作したものだと文綺堂蘭斎が見極めたものだと分かる。1825(嘉永5)年に玉楮象谷が制作した《讃岐彫堆朱 手向山香盒》を長男である蔵黒が模刻したもので、後には高木吉直も模刻している。
象谷は《手向山香盒》を堆朱によるもの(高松市美術館蔵)の他に、堆黒によるもの(現存せず)も制作しており、本作は後者の模刻であると考えられる。青海波の地文に紅葉を一枚彫り表し、古今和歌集(巻第九 羇旅歌)にある、「このたびはぬさもとりあへず たむけ山 紅葉の錦 神のまにまに」の上の句「古能太飛盤」を変体仮名で彫り出している。象谷のそれと異なるのは、堆朱ではなく堆黒であることで側面の一文字の地文もまた黒色、そして紅葉の上に堆黒の丸い点を配し、月に見立てていることである。

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