雄鳥

作品名カナオンドリ
番号6927
分野立体
作家名稲崎栄利子 イナザキ エリコ
材質陶土、磁土、長石、鉱物顔料
寸法h30×33×26cm
解説初期の頃から、驚異的なディテールの細やかさを特徴とする稲崎作品の中で、特に本作品には漲る力が潜んでいる。それは、弓形状の規則的な黒い針の連なりと、その先端に施された白土が刻むリズム、そして各塊の関係性により緊張感が生み出されているためだ。伸びやかさと荒々しさといった二面性を併せ持つ本作は、近年の美しくも儚げな稲崎作品を知る上でも重要な作品である。「陶磁器における超絶技巧とは、細工を生み出す手わざのみならず、それを実現させるための絶対条件となる湿度管理や、人の手が及ばない焼成のプロセスも併せて捉えるべき」と本人が言うように、常に陶表現の可能性の極限に挑み続け、技術を磨く彼女の2000年代の代表作のひとつである。

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