伊良湖東大寺瓦窯跡出土品

伊良湖東大寺瓦窯跡出土品

資料名(よみがな)イラゴトウダイジガヨウアトシュツドヒン
出土・収集地伊良湖東大寺瓦窯跡
時代・時期鎌倉時代初頭
公開解説伊良湖東大寺瓦窯跡は、昭和41年(1966)の豊川用水路施設工事に伴い愛知県教育委員会によって発掘調査され、3基の窖窯 と関連遺構1基が検出され、「東大寺大佛殿瓦」が出土したことから、昭和42年、鎌倉時代初期の東大寺再建用の瓦を供給した窯の一つとして国の史跡に指定された。
本資料は、その伊良湖東大寺瓦窯跡からの出土品である。発掘調査から半世紀以上が経過し出土地点が不詳のものが存在するため、出土地点の注記があり、本瓦窯跡の出土品であることが確実なもの455点に限定されている。
本出土品は軒丸瓦 ・丸瓦 ・軒平瓦 ・平瓦 など瓦類が主体を占める。軒丸瓦には、中心に一つ、それを取り巻くように六つの円を配し、中央の三つに「東大寺」、その右側の二つに「大佛」、左側の二つに「殿瓦」と一文字ずつと記されている。軒平瓦には七つの円を配し、右から左に一文字ずつ「東大寺大佛殿瓦」と記される。また瓦類以外の出土品としては、山茶碗 ・小皿・甕などがある。
本瓦窯産の瓦類は、東大寺鐘楼の解体修理や大仏殿院回廊跡の発掘調査の際に、軒丸瓦2種・軒平瓦2種・平瓦が確認されている。東大寺での分布状況は散在的であり、瓦を葺き上げた建物の特定はできていないが、本瓦窯の操業年代は、大仏殿供養が行われた12世紀末から、鐘楼が建立されたとされる13世紀初頭にその一端を求めることができる。
このように、東大寺再建用として伊良湖東大寺瓦窯跡で生産したことを示す現物資料である。また瓦類以外のものは、渥美窯編年の暦年代を考える上で貴重な標式資料である。

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